鍵屋さんは実は国家資格を持っていない?

鍵に何らかの不具合が起こってしまうなど、修理が必要になった時に頼りになる存在であるのが街にある鍵屋さんではないでしょうか。鍵屋さんは鍵についての高度な技術と知識を持たれている専門家ですので、基本的にはどのような鍵のトラブルにでも対応してくれます。さて、そんな素晴らしい鍵屋さんになるためにはどのようにすればいいのか気になるところですが、実は極端な話ですが私たちも今ここで「鍵屋です」と言えば、鍵屋さんになることが可能です。これはどういうことなのかというと、鍵屋さんは実は国家資格を持っていないため、誰でも名乗るだけならば鍵屋として活動できます。

医者や調理師など特定の分野での技術や知識を担保する目的として国家資格制度がある資格は、基本的にその資格を持っていなければその職についていることを名乗る資格もありません。しかし、鍵屋さんについてはこの国家資格制度がまだ整備されていないことから、技術や知識のあるなしは置いておいたとして、名乗るだけならば誰でも鍵屋さんになることができるのです。あれだけ専門的な活動を行っているにもかかわらず、鍵屋さんには国家資格がないというのは驚きですよね。実際に全国各地で鍵のトラブル解決などを行っている鍵屋さんは、全員が鍵師としての国家資格を持たずに業務を行っています。

ただ、鍵屋さんとしての資格が全くないというわけではありません。防犯全般の整備を行うという点では、防犯整備士という資格が鍵屋さんとしての技量の質を担保する役割を果たしていますし、各民間資格会社が認定する鍵師という資格も存在していますので、鍵屋さんの技量を量る上ではこれらの資格を確認することが大切になってきます。かといって、鍵屋さんとしての技術や知識はかなり高度であることから、早めの国家資格化や法的な資格制度の整備が求められるのも事実ですので、その点は職能団体や政府に頑張ってもらいたいところです。